実際の通信速度を比べてみた!

みなさんが格安SIMを選ぶ基準は何ですか?
- 価格
- データ量
- オプション
など様々でしょう。
何を基準に選ぶかで、契約後の満足度も大きく変わってきます。
そんな中、
意外と見落とされがちなのが「通信速度」。
データのやり取りがどれだけ早いのかを表すものです。
当然、通信速度が遅ければ、
Webページはもちろん動画を快適に見ることはできません。
実際に使用してから気づいたのでは、満足度は下がることでしょう。
価格やサービスとは違い、通信速度はなかなか実感が難しいもの。
そこで今回は、そんな通信速度について調べてみました。
通信速度の基本から各格安SIMの比較までまとめています。
ぜひ、通信速度から格安SIM選びに繋げてみてくださいね。
目次
1.通信速度の基準

通信速度の基準として一般的に用いられるのが、 Mbps(メガビット) と呼ばれる単位。 これは、1秒間に送ることのできるデータ量を表しています。 例えば、1Mbpsで日本語を送るとします。 おおよそ6万5千文字/秒も送ることが可能! たった1Mbpsで驚くほど大量のデータを送れることが想像できると思います。 通信速度を知る上で1つ重要となるのが、
- 上り
- 下り
といった表記について。
キャリアや格安SIMの公式ページ上で見かけた方も多いはずです。
では、この「上り」「下り」にはどんな意味があるのか?
- 上りとは、端末側からネット上へ情報を送ること
- 下りとは、ネット上から端末側へ情報を受け取ること
つまり、「上り=アップロード」「下り=ダウンロード」ということです。
みなさん、上り:20Mbps・microSIM・下り:70Mbps
など、下りの方がMbpsが多い表記をよく見かけませんか?
これは下り、つまりはダウンロードの方が早いという意味です。
ではなぜ下りの方が上りより早く設定されているのでしょう。
その理由は、上りと下り、どちらの方が通信速度として優先度が高いかにあります。
特殊なケースと除き、
- 動画や音楽の視聴
- メールの送信
- Webページの閲覧
などネットの多くは情報をダウンロードするもの。
下りの方が頻繁に利用されることになります。
通信回線は道路のようなものです。
大量のデータ(車)が通れば遅く(渋滞)なる可能性が高まります。
下りの方が数値が大きく設定されているのは、
それだけ通信回線(道路)の幅を広くしスムーズに通れるようにしているのです。
通信速度のおおよその見方はご理解頂けたと思います。
ただ、数値が何かわかっても、
それがインターネットにどれほど影響するかは分からないもの。
どれくらいの速度であればスムーズと言えるのでしょうか?
以下に、状況別に必要な速度を表にまとめました。
メール | Webページ閲覧 | 動画視聴 |
---|---|---|
150Kbps | 500Kbps | 5Mbps |
※1Mbps=1,000Kbps
先述した通り、格安SIMで使用される通信速度の一般的な表記はMbps。
少なくともメールやWebページの閲覧ということであればストレスは感じないでしょう。
また、あまりにも高画質な動画でなければ、十分スムーズな再生が可能なはずです。
ただ、みなさんご存知の通り、
実際に動画を視聴しようとすると、なぜか止まってしまうことありますよね?
各キャリアや格安SIMの公式ページ上の数値であれば問題ないはずなのに不思議です。
これは、各公式ページに表記に記載された通信速度には、
- 最大速度
- 理論値
などといった意味が隠されているためです。
よく公式ページ上には、
- 最大値100Mbps
- 理論値150Mbps
といった表記をされることがあります。
最大値や理論値というのは、
通信状況として考えられるだけ最も良い条件を想定して計算されたもの。
つまりは、それ以上は出ないほど早い速度を表記しているわけです。
正直なところ、格安SIMの公式ページ上で見かける、
通信速度についての表記はあまり当てにしないことをおすすめします。
上記で紹介した通り、あくまで最大値、本来では大きく下がるのが当たり前なのです。
2.1GBでできること
格安SIMのプランの多くは、データ量GB単位での契約になります。 1GBでいくら、といった具合にです。 「1GB=1,000MB」なので「1Gbps=1,000Mbps」となります。 つまり、1Mbpsのデータ量でも1000回通れば1GBになるのです。 そこで気になるのが、1GBで何ができるのか? メールやWebページ閲覧、LINEや動画視聴など、1GBでどれくらい楽しめるのでしょう。
Webサイト閲覧 | メール | LINE(通話) | You Tube | |
---|---|---|---|---|
1単位あたり | 236KB/ページ | 15KB/300文字 | 0.3MB/分 | 3.07MB/分 |
1GB | 4,338ページ | 66,666通 | 55時間30分 | 5時間26分 |
※上記は参考値、使用状況によって変わる可能性があります。
単純に1GBまるまる使用すると上記のような結果になります。 1GBでメールが7万通近く送れるとは驚きです。 正直、1ヶ月でそれだけ送る自信はありません。 ただ、ここで注意点が1つあります。 上記はあくまで1GBを全て使用した場合の数値。 基本的に1GBを1つのサービスだけに使うということは考えられません。 Webサイトを閲覧することもあれば、LINEで電話することもありますよね。 また、スマホのアプリによっては、表示されなくとも通信を行うものはあります。 知らず知らずのうちにダウンロードされているということです。 もちろん危ないものではないので安心してください。 それでも、そうやってデータ量というのはどんどん目減りしていきます。 実際、動画や音楽の視聴を行う方は、1ヶ月1GBは少なく感じることでしょう。
- ちょっとした空き時間にYouTube
- 寝る前に映画をダウンロード
- 通勤途中に音楽の視聴

なんてしていたらあっという間に10GBを超えることはあります。 格安SIMの多くは、契約しているデータ量を超えた場合「速度制限」がかかります。 100Kbpsや200Kbpsにまで落ちてしまうことも珍しくありません。 動画が全く視聴できなくなるくらい遅くなります。 経験された方も多いと思いますが、非常に不便です。 ではなぜ格安SIMでは速度制限が設けられるのでしょうか? それは、格安SIMを運営するMVNO事業者が独自の通信設備を設置していないため。 大手キャリアの所有する通信回線を借りる形でサービスを提供しているからです。 先述した通り、通信回線は道路のようなもの。 何車線も集まればそれだけ渋滞の起こりにくい道路になります。 MVNO事業者には限られた通信回線しかありません。 大手キャリアのように、幅広い道路(回線)を用意することが難しいのです。 そんな中、みんなが大量のデータ量を消費したらどうなるでしょう? まず間違いなく、道路(回線)は大渋滞を引き起こします。 「速度制限」とは、渋滞を引き起こしそうな人への抑止力、 みんなで仲良く通信回線を利用するためのルールのようなものなのです。 ここで気になることが1つ。 周りのみんなは1ヶ月にどれくらいのデータ量を消費しているのか? 上記の表からわかる通り、全体の5割以上の方は1ヶ月に3GB未満しか消費していません。 10GB以上となると、全体の5.6%ほどです。

参照元:MMD研究所
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1338.html
これは、普段のデータ通信を、
- 家庭内
- 会社内
など別の通信回線(WiFi)を活用しているためです。
確かに、PCやタブレットが手元にあり、
室内にWiFiが飛んでいるのならそちらを活用しますよね。
あくまで格安SIMは、WiFiのないところだけのものです。
みなさんに質問です。
普段どんなことにスマホを活用していますか?
- メールの送信
- Webページ閲覧
くらいなら1GBもあれば十分です。
- 動画や音楽の視聴
- テレビ電話
などを頻繁に利用するのなら3GB〜5GBほどを見ておくと良いですよ。 ぜひ、格安SIMを選ぶ際には、 どれくらいのデータ量が必要なのかも意識してみてください。
3.通信速度を比較

通信速度やそれに付随する内容について詳しく紹介してきました。
ただ、「結局は、どこが一番早いの?」
ということがみなさん知りたいと思います。
先述した通り、各格安SIMの公式ページ上に記載されているデータは、
正直なところあまり当てになりません。
ではどうするか?
各格安SIMを実際に準備し、1つひとつ通信速度を計測するしかありません。
ただ、何十社分もある格安SIMを個人が計測するのは現実的ではないですよね。
もちろん、みなさんにやる気と懐具合があれば可能です。
- speedtest.net
- RBB TODAY SPEED TEST
- SpeedSpot
- ドコモスピードテスト
- MFR 回線速度チェッカー
- Speedtest.pro Speed Test & WiFi Finder - スピードテスト
「アプリ 通信速度」と検索するだけで、 回線の通信速度を計測するアプリを幾つも見るけることができます。 もちろん、今みなさんが使用されている、大手キャリアの通信速度も計測可能です。 興味のある方はぜひ試してみてください。 しかし、多くの方はそんな時間も懐具合もないと思います。 そこで代わりに、各格安SIMの通信速度、その実測データを集めてみました。

上記の表では、主に格安SIMとして比較的知名度の高いものを対象としました。
見ていただくとわかるとおり、
同じ格安SIMでもMVNO事業者が違うだけで通信速度には大きな差が生まれています。
特に、mineoとイオンモバイルを比べると、下りで7倍もの差。
動画や音楽を視聴するとすれば、どちらがスムーズかは明らかです。
格安SIMを選ぶ際には、少しでも早い方が良いですよね?
ちなみに、イオンモバイルの公式サイト上には、
- 上り:最大50Mbps
- microSIM
- 下り:最大375Mbps
と記載されています。
実測データと比較すると、その差の開き具合に驚きを覚えます。
もちろん、上記の数値も嘘ではないので、安心してください。
ただ1点、注意していただきたいことがあります。
上記の表の数値は、あくまである一定の条件のもと計測されたもの。
他の条件で計測すれば大きく変わる可能性があるということです。
例えば、室内・室外で比べてみれば、電波の入り易い室外の方が通信速度は早くなり易いでしょう。また、
- 昼間
- 夜間
で比べてみれば、
人々が外に出ている昼間の方が速度は遅くなり易いのです。
つまりは、1つのデータを全てとは思わない方が良いということ。
時間や場所など、いくつか条件を変えたデータを揃えないと正確な比較はできません。
それでは結局、どこが一番早いのか決められない!
正直なところ、それが正解です。
ただ、それでは話が進みませんよね。
そこでもう1つ、速度に関わる重要な要素を紹介します。
それは、その格安SIMがどこの回線を使用しているかです。
格安SIMが使用している通信回線は、
- ソフトバンク
- ドコモ
- au
など大手キャリアのものです。 例えば、下記のようにです。
mineo | UQ-mobile | DTI SIM | DMMモバイル | FREETEL | LINEモバイル | イオンモバイル | 楽天モバイル |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ドコモ/au | au | ドコモ | ドコモ | ドコモ | ドコモ | ドコモ | ドコモ |
表を見てわかる通り、格安SIMの多くがドコモを使用しています。
ただ、中にはauやソフトバンクを使用している格安SIMも確かに存在しています。
そして、各キャリアの回線には、電波が強い地域があるのです。
これは、各キャリアの通信設備(基地局)が集中するエリアほど強く、
反対に少ないエリアほど電波が弱くなっていく傾向にあるためです。
みなさんも、現在、大手キャリアと契約しているのなら、
なぜか電波が入りにくい居場所に遭遇すること、ありませんか?
通信速度で格安SIMを選ぶのであれば、
使用している回線(キャリア)についても意識するのもおすすめですよ。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、格安SIMの通信速度の比較ということでご紹介させていただきました。
見たことはあるけどよくわからない、
- Mbps(メガビット)
- 1GB
などについても理解いただけたなら幸いです。
ただ正直なところ、格安SIMの通信速度は条件によって大きく変わります。
ここで紹介させていただいた数値が全て正しいとは限りません。
もし今、格安SIMをどれにしようか迷っているのであれば、
通信速度は1つの参考とし、
- データ量
- 基本料金
- オプションサービス
などプランを幅広く意識した上で選んでみることをおすすめします。
格安SIMをどう活用するか、利用方法から考えてみるといいかもしれませんね。
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